はじめに
Azure Stack Hub 2108 Update がリリースされました。
https://docs.microsoft.com/en-us/azure-stack/operator/release-notes?view=azs-2108
1つ前の 2102 Update が2021年5月にリリースされましたので、半年ぶりのリリースになります。本エントリでは 2108 Update での中で気になった機能をまとめます。
Emergency VM access
Emergency VM access がパブリックプレビューになりました。本機能を利用すると、OS 側の設定ミスによってリモートでアクセスできなくなったテナントのVM に Azure Stack Hub Operator がアクセスできるようになります。
Emergency VM access (EVA) - Public preview
ただし、Azure Stack Hub Operator はテナントの VM に勝手にアクセスできません。Azure Stack Hub Operator とテナントの管理者が連携して次のような、次のような手順を踏むことでテナントの VM にアクセスできるようになります。
- Azure Stack Hub Operator が対象のテナントのサブスクリプションに対して本機能を有効化する
- テナントの管理者が対象の VM に対して本機能を有効化する
- Azure Stack Hub Operator オペレータが ERCS 経由でテナントの VM にアクセスする
- Azure Stack Hub Operator とテナント管理者が画面を共有して、リモートアクセスできなくなった原因に対処する
AKS と ACR
長らくプライベートプレビューであった AKS と ACR がパブリックプレビューになりました。これまでのリソースプロバイダと比べると、AKS と ACR はリソースプロバイダの仕組みが初期から組み込まれているようで、インストールがとても簡単になりました。AKS はイメージと拡張機能のダウンロードだけ、ACR は追加の証明書のインポートだけで利用を始められます。「コンテナは当たり前だから初期から入れておくぜ」ということでしょう。きっと。
- Install and offer the Azure Kubernetes Service on Azure Stack Hub
- Azure Container Registry on Azure Stack Hub overview
Remote support
Remote suppot がパブリックプレビューになりました。Microsoft のサポート担当に権限を付与することで、Microsoft のサポート担当がリモートで Azure Stack Hub を調査・修復してくれるようになります。障害対応にかかる時間を短縮できる可能性のある素晴らしい機能です。
詳細は次のエントリを参照ください。現時点では PowerShell でのみ設定できます。はやく管理ポータルから設定できるようになってほしい。
MySQL RP と SQL RP の仕様変更
2108 Update のリリースに伴い、MySQL RP と SQL RP の利用が許可制になりました。これらのリソースプロバイダを利用したい場合、Microsoft のサポートに連絡する必要があります。また、インストール方法が簡素になりました。これまでのような専用スクリプトをダウンロードして実行する方法ではなく、Event Hub や IoT Hub のように Azure Stack Hub のマーケットプレイスからインストールできるようになりました。
Deploy the SQL resource provider V2
終わりに
Azure Stack Hub 2108 Update で気になった機能をまとめました。やはり Remote suppot が大きなアップデートだと思います。うまく使いこなせれば障害対応がぐっと楽になりそうです。