Azure Stack Hub の SNAT (Virtual Machine 編)

azurestack
Published: 2019-12-20

Azure を使う際に知っておくべきことの一つが SNAT です。

Azure と一貫性のある Azure Stack Hub にも SNAT が実装されています。そのため、Azure Stack Hub の仮想マシンは、Public IP Address を NIC に関連づけなくても Azure Stack Hub の外のネットワークにアクセスできます。

本エントリでは、Virtual Machine の SNAT に利用される Public IP address を解説します。

いつ Public IP Address を確保するか

簡単に検証した結果を踏まえると、Azure Stack Hub は、VNet に一台目の Virtual Machine を作成した時点で、SNAT に利用する Public IP address を確保します。VNet だけを作っても Public IP Address の使用量は変わりませんでしたが、仮想マシンを作成した途端に使用量が1つ増えました。

VNet を作った直後の使用量

1台目の Virtual Machine を作った直後の使用量

VNet ごとに SNAT 用のアドレスを確保しますので、Azure Stack Hub 全体の Public IP Address の残量が10個の状態で「VNet 1つ、Public IP Address つきの Virtual Machine 1つの環境」を10個作ろうとすると、1つの環境あたり Public IP Address を2つ使うため、Public IP Address を確保できなかった5つのデプロイが「ネットワークリソースプロバイダがリソースを割り当てられなかった」という旨のエラーによって失敗します。

Public IP Address にどのアドレスを使ったか

残念なことに、管理者は SNAT 用に確保された IP アドレスを管理者ポータルから確認できません。また、Get-AzsPublicIPAddress のコマンドでも確認できません。ただし、先ほどのキャプチャのとおり、キャパシティに表示されている Public IP Addeess の個数には SNAT 用に確保されたアドレスが反映されます。この仕様は次のドキュメントに明記されています。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure-stack/operator/azure-stack-viewing-public-ip-address-consumption?view=azs-1910#view-the-public-ip-address-information-summary-table

いつ Public IP Address を解放するか

簡単に検証した結果を踏まえると、Azure Stack Hub は VNet が削除されたタイミングで SNAT 用のアドレスを解放します。VNet から仮想マシンを削除しても Public IP Address の使用量は変わりませんでしたが、VNet を削除したら Public IP Address の使用量が1つ減りました。

まとめ

Azure Stack Hub における Virtual Machine の SNAT の挙動をまとめました。Public VIP Network に割り当てるサブネットを決める際には、SNAT 用に確保される Public IP Address を考慮したうえで必要なアドレスの総量を数えましょう。