Azure Stack 1904 Update

azurestack
Published: 2019-05-03

はじめに

Azure Stack 1904 Update がリリースされました。

1903 Update は Integrated system のみでしたが、1904 Update は Integrated system と Development kit の両方がリリースされました。@vtango が「Bunch of awesome improvements」と言っているように、1904 Update では大量の改善が行われたことがリリースノートから読み取れます。Known issueもぐっと減ったように見えます。

ASDK 1904 をざっと触ってみた印象をもとに、気になった箇所をまとめていきます。

ユーザ向けポータルの更新

ユーザ向けポータルが最近の Azure ポータルと同じ雰囲気になりました。ここ数か月のユーザ向けポータルの見た目は Azure ポータルの進化のスピードに追随できていませんでした。ですが、1904 Update によって、「Azure との一貫性」という Azure Stack のコンセプトの象徴である見た目が Azure に追いつきました。めでたい。

ユーザ向けポータルの画面

Syslog のフィルタ

Azure Stack のインフラ部分のログを syslog で送信する機能に Severity によるフィルタが追加されました。過去のバージョンで Syslog を設定した際には大量のログが飛んできて困りました。1904 Update では、Set-SyslogClient の -OutputSeverity を Default にすると、warning と critical、error のログだけを syslog で送信するようです。どんなログが飛んでくるのかそのうち試そうと思います。

インフラ側が利用するメモリの増加

Azure Stack のインフラ側が、追加で「12 GB + ( 4GB * Host Node)」分のメモリを消費するようになります。Host Node 4台構成の場合、28GB のメモリが利用者側で利用できなくなります。

1902 Update でも Azure Stack のインフラ側が追加で12GB のメモリを消費するようになりました。Azure Stack は機能追加・性能改善のためにインフラ側が利用するメモリの量を増やしてくる傾向にありますので、余裕を持ったキャパシティ計画がお勧めです。

ログを Blob に直接吐き出す機能

Azure Stack のログを集めるコマンドである Get-AzureStackLog が ログを Blob に直接吐き出す機能をサポートしました。Get-AzureStackLog の -OutputSASUri にログを吐き出したい Blob の SAS Token つき URL を設定すると、ログファイルが Blob に書き出されます。

$pep = New-PSSession Azs-ercs01 -ConfigurationName privilegedendpoint
$token = "https://aimless.blob.core.windows.net/sr00000000?sv=2018-03-28&ss=b&srt=co&sp=rwdlac&se=2019-05-02T21:02:55Z&st=2019-04-30T13:02:55Z&spr=https&sig=xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx"
Invoke-Command -Session $pep -ScriptBlock {
    Get-AzureStackLog -OutputSasUri $using:token
}

Blob に吐き出された Get-AzureStackLog

一見すると地味な機能ですが、Connected な Integrated system の場合、Integrated system 上のログファイルを Microsoft のサポートが利用する Blob に直接アップロードできるようになったということです。ありがたい。

Resource Provider の ダウンロード画面

マーケットプレイス連携の画面に Resource Provider が増えました。

マーケットプレイス連携に追加された Resource Provider

Azure Stack Operator は、現在リリースされている App Service や MySQL、MsSQL などの追加の Resource Provider を、Admin Portal とは全く別の仕組みでインストールしなければなりません。正直面倒です。

@Darmour_MSFTが「今後 Azure Stack 上でリリースが予定されている IoT Hub と Event Hub はマーケットプレイスからぽちっとダウンロードする形でインストールできる」旨をTweetしていたので、その実装が着実に進んでいるということでしょう。

Resource Provider の Update 画面

Update の画面にも Resource Provider が増えました。

Update 画面

Azure Stack Operator は、現在リリースされている App Service や MySQL、MsSQL などの追加の Resource Provider を、Admin Portal とは全く別の仕組みでアップデートしなければなりません。正直面倒です。Azure Stack 自体の完全に自動化されたアップデートと同じように追加の Resource Provider もアップデートできるようになるのだとしたら素晴らしい。

リリースノートと Known issue の分離

1903 Update までは、リリースノートと Known issue が一つのページに記載されていました。1904 Update ではリリースノートと Known issue のページが分かれました。

また、Known issue が、Applicable, Cause, Remediation, Occurrence の4項目で整理されるようになりました。Known issue を正しく理解しなければならない運用担当にとってはありがたい改善です。

Known issue

おわりに

Azure Stack 1904 Update で気になった部分をまとめました。やはり、リソースプロバイダのダウンロードとアップデートの部分が期待大です。Azure Stack の特徴の一つである PaaS が、より簡単にインストール・運用できるようになってくれると嬉しいです。