はじめに
Azure Stack をバックアップする(管理者向け)でまとめたとおり、Azure Stack の管理者向けバックアップは SMB のファイルサーバにバックアップファイルを保存します。ドキュメント上では、保存先としてサポートされているファイルサーバはオンプレミスのものだけであって、Azure Files はサポートされていません。
参考:Infrastructure Backup Service reference
バックアップのためだけにファイルサーバを運用しなければならないのは苦痛です。前々から「Azure Files を早くサポートしてくれないかな」という要望をもっていました。そんな中、Twitter 上で「 Azure Files にバックアップファイルを保存した」というつぶやきがありました。
Works like a charm. Azure File Share as SMB share for the infrabackup of on of our #azurestacks #azurestack #azure This saves me a fileshare to manage. :) pic.twitter.com/4c3vQY4zOA
— Bas Wassenaar (@BasWas) 2019年1月8日
「まじか。サポートはしてないけど、技術的にはできるってこと!?」ということで実際にやってみました。
Azure Files を作る
Azure ポータルで Azure Files をポチポチ作ります。
作成した File 共有で Connect をクリックして、Azure Files にアクセスするためのパスとユーザ名、パスワードを入手します。
Infrastructure Backup を有効化する
上記の手順で入手したパスとユーザ名、パスワードを利用して、Infrastructure Backup を有効化します。
$username = "Azure\aimlessazsinfrabackup"
$sharepath = "\\aimlessazsinfrabackup.file.core.windows.net\infrabackup"
$password = ConvertTo-SecureString "XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX==" -AsPlainText -Force
$Encryptionkey = New-AzsEncryptionKeyBase64
$key = ConvertTo-SecureString -String ($Encryptionkey) -AsPlainText -Force
$key
Set-AzsBackupShare -BackupShare $sharepath -Username $username -Password $password -EncryptionKey $key
設定が成功すると、管理ポータル上に表示されるバックアップ先が Azure Files になります。
バックアップを手動実行すると、Azure Files 上にバックアップファイルが保管されます。素晴らしい。
まとめ
サポートされていない手法ではありますが、Azure Stack の Infrastructure Backup を Azure Files に保存できました。Infrastructure Backup を保存するためだけにファイルサーバを用意・運用するのはつらいです。マネージドサービスである Azure Files へのバックアップが正式にサポートされれば、Azure Stack Operator が運用しなければならないものが一つ減ります。正式サポートが早く始まることを期待します。