- 初版:2018年12月
- 第二版:2019年12月
- 第二版:2022年3月
はじめに
本エントリーはMicrosoft Azure Stack Advent Calendar 2018の5日目です。
本日のエントリでは、Azure Stack Hub のサイジング方法について説明します。
仕組みが使うリソース
Azure Stack Hub の利用者は、Azure Stack Hub を構成する Host Node のリソースの全てを利用できません。Host Node 上に、Azure Stack という仕組みを成立させるための Virtual Machine が動作するためです。これらの Virtual Machine を Infrastructure Role Instance と呼びます。Infrastructure Role Instance の一覧は次の通りです。
名前 | 役割 |
---|---|
ACS01、ACS02、ACS03 | Azure Stack Hub ストレージサービス |
ADFS01、ADFS02 | Active Directory Federation Services |
DC01、DC02、DC03 | 内部で利用される Active Directory、NTP、DHCP |
ERCS01、ERCS02、ERCS03 | Emergency Recovery Console |
NC01、NC02、NC03 | ネットワークコントローラ |
Gwy01、Gwy02、Gwy03 | テナントで利用される VPN サービス |
PXE01 | Host Node のための PXE サーバ |
SLB01、SLB02 | SLB MUX |
Sql01、Sql02 | 内部のデータストア |
WAS01、WAS02 | ポータルと ARM(管理者向け) |
WASP01、WASP02 | ポータルと ARM(利用者向け) |
Xrp01、Xrp02、Xrp03、Xrp03 | 各種リソースプロバイダ |
SRNG01 | ログコレクションサービス |
Host Node が 4台の場合、これらの Infrastructure Role Instance は、合計で146 vCPU、268 GB のリソースを利用します。また、PaaS をインストールすると、PaaS の仕組みを動作させるための Virtual Machine が動作します。これらの Virtual Machine も Host Node のリソースを利用します。その分だけ、利用者の使えるリソースが減ります。
計算ツール
上記以外にも、Host Node としての機能を動作させるためのリソースや、可用性のための余剰を考慮する必要があります。考慮すべき事項は次の URL に記載されています。
参考:
- Azure Stack のキャパシティ プランニング
- Azure Stack コンピューティング能力の計画
- Azure Stack ストレージ容量の計画
- Virtual machine memory allocation and placement on Azure Stack
特筆すべき事項は、Virtual Machine の上限です。2019年12月現在、Azure Stack Hub には次の制限が存在します。
- 1台の Host Node 上で動作できる Virtual Machine は60台
- 1つのリージョン上で動作できる Virtual Machine は700台
すべての考慮事項を踏まえたうえで、利用者として必要なリソースが動く Azure Stack Hub を選定するのはしんどいです。「そんなこともあろうかと」ということで、Microsoft は、Azure Stack Capacity Planner という 便利 Excel をリリースしています。この便利 Excel に次の情報を入力すると、Excel が考慮事項を考慮したうえでお勧めスペックを表示してくれます。ただしあくまでも参考です。
- 購入予定の Integrated systems のスペック
- 動かしたい Virtual Machine の種類と台数
なお、この Excel では vCPU と物理コアの比率が 4:1に置かれています。ゆとりをもった収容率にしたい方は、2:1にするとよいでしょう。
まとめ
本エントリでは、Azure Stack Hub をサイジングする方法をお話ししました。実際に購入する際は、Azure Stack Capacity Planner を参考にしつつ、OEM ベンダ様に相談しながらベストな構成を選びましょう。